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お金がない……切実な生活苦から立ちんぼに転じ、男の無理難題な要望に応じる28歳元OL

最底辺売春婦、立ちんぼの実情


格差社会が叫ばれて久しく経つ。
現在、風俗業界でも、いわゆる“勝ち組”と“負け組”に分かれ、その職場環境から一日の稼ぎまで、同じ風俗嬢といってもまるで天と地の差だ。

その中でも“立ちんぼ”は、最底辺の売春婦に属するだろう。
東京では新宿のハイジアを筆頭に、池袋や浅草で女性と安価に本番が楽しめる。

だが、やはりなんだかんだ言って東京価格だ。
かなりの熟女や、オジサンに近いオカマも1万5000円程度である。

地方になると、その価格もさらに下がる。


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某地方都市で立ちんぼをしているヨウコさん(仮名/28歳)は、現在いわゆるニートだ。
それまで契約社員として勤めていた会社から、契約の更新がされずに解除されてから無職になった。

「会社都合なので雇用保険はすぐに出ましたが、退職金もないですから、生活はすぐに苦しくなりました。
もともと給料も低いので貯金も30万程度しかありませんでしたし……。

もちろんすぐに再就職活動をしました。
でも、選り好みをしているわけではないのですが、なかなか決まらなくて……。

貯金が10万円を切ったときに、
『やばい、このまま仕事が決まらなかったら、今月の家賃を支払えない
と思って、風俗の面接を受け始めました」

ところが今時の風俗店は、客単価の高い人気店であると、女のコを3〜4割程度しか採用しない。
逆に、低価格の格安店は、本番やアナルなどのハードプレイができる子が重宝され、そうではないコはお茶を引くこともある。
1日出勤して、1〜2人しか客がつかないと6000円〜一万数千円程度しか持って帰れないのが現状だ。

「安いお店に体験入店をしたのですが、6時間待機して1人しか付かなくて。
電車賃を引くと、手取りは5000円を切るような状況。
これじゃ、全然、生活費に追いつかない…って思いまして」

ヨウコさんはお世辞にもキレイとは言い難い。
体型もぽっちゃりを超してデブである。
28歳とはいうが、40歳と言っても通じるだろう。

地雷嬢をウリにする、デッドボールやトリプルレッドカードなら、「どうぞどうぞ」と入店させてもらえるだろうが、いわゆる「OL系」や「人妻系」のアラサー女性が働く店だと、かなり厳しい。
プライドを削ってでも、熟女系の店に応募しなければ、雇ってはもらえないだろう。

「風俗でもダメなんだったら立ちんぼをしようと気持ちを切り替えたんです」

そこで立ちんぼの多い場所にいき、立っていると間もなく客がついた。

だが、ベテランらしい熟女のオネエさんからトントンと肩を叩かれて、
あんた、誰に断ってココ立ってんの?
と叱られた。

聞けば、この辺りは〇〇というヤクザが仕切っているのだという。
そのため、値段は1人1万5000円と相場も決まっている。

だが、もちろん、支払わなければならないみかじめ料がある。それは1日1万。
2人つけば2万はもって帰れるという。
2人以上の客があれば、風俗より身入りはいい。

だが…現実は厳しい。

100人声をかけて遊んでくれるのは1〜2人くらい。足も痛くなるし、めげるんですよ」

つまり、1人しか客がつかないと、5000円しか持って帰れないのだ。

だったら、1人に5000円で自分を売っても、2人に売れば1万円になるフリーを選ぼう。
ヨウコさんは、地回りのヤクザが仕切っている立ちんぼ街を離れ、フリーで街角に立つことにした。

場所は飲屋街だが、いわゆる「立ちんぼが立っている場所として有名なポジション」ではない。



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「あの、遊んでいきませんか? と声をかけると、びっくりされますね」
ヨウコさんは、そう苦笑する。

また、できるだけ、お金を持って帰りたい一心で、客のワガママには基本的に応じることにしている。
最近では、即尺を求められたり、SMプレイを求められたことがある。

「SMをしたいというお客さんからは、いきなりベルトでお尻を叩かれまして……。
すごい腫れました。しばらく仕事ができなくて焦りましたね」

そんな悲惨な目にあっても、ヨウコさんはまだ街頭に立ち、男たちを誘っている。

一億総活躍社会を目指す日本。
社会の片隅で、こんな活躍をしている女性がいることを・・・

きっと世の偉い人たちは知るわけないんだろうなあ。


<取材/文:ハルクル・オナホーマン>




伝説の立ちんぼ 横浜リリカ




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Author:中山美里
水商売などを経てライターへ転身。その後は女性と性をテーマにした著作を次々と発表。固い記事から身体を張った体験レポートまで、スタンスの広さに定評がある。

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